(4)暮坂峠断層

土万断層は, 揖保川沿いの広い沖積低地 (山崎町の中心街となっている) にはいると,地下に伏在し,断層の位置を特定することが困難になる。揖保川から東方における土万断層の南東延長部に位置する暮坂峠断層は,市川付近まで連続した明瞭なリニアメントとして追跡できる。

大きくみると,この北西−南東方向のリニアメントを境にして,南北性の河川が左横ずれ方向に屈曲しているようにみえる。しかし,断層推定位置近傍での変位地形となると,この地域特有の厚い崖錐堆積物に覆われ不鮮明になる。その中で,夢前町護持付近を中心とした範囲 (写真4−1−6)では,局所的に高位段丘が分布しており,段丘面がつくる尾根と谷の系統的な屈曲 (左横ずれ変位量は50〜100m程度と推定)が認められる。