3−3−1 調査地点の概要
本地区は,麓郷断層の北端部に位置する(図3−1−1).東上がりの撓曲崖とその東側に西上がりの逆向き低崖が認められた(図2−2−1).麓郷断層の地形的特徴から,東上がりの撓曲崖が主断層であり,それと対をなす逆向き低崖側は,バックスラストに相当すると考えられる.しかし,撓曲崖は幅の広い変形帯を形成しているため,地表への断層の位置を特定するのが困難と予想された.さらに,斜面であることから,地震活動とは異なる二次的な変形を受けている恐れもあった.そのため,比較的平坦な地形となっている逆向き低崖の方に注目して調査を行った.本地点では,断層の有無や活動性を明らかにすることを目的に,トレンチ調査(1ヶ所)およびボーリング調査(5孔)を実施した.本地点の測量結果とトレンチ調査位置およびボーリング調査位置を図3−3−1に示す.