陸志別川南岸沿いの柱状対比図(図3−1−20)では,まず,高位面に対応する3露頭(nm−12,19,75地点)を比較するが,nm−12地点では高位面堆積物が厚さ20m程度で認められるが,これがnm−19・75地点のものに岩相的にそのまま対比できる条件はないが,取りあえず面の傾動があると見なした.nm−21地点では15m+の厚さの中位面堆積物の上位に低位面1堆積物(厚さ5m程度)が重なる.中位面堆積物の主体は礫相であるが,厚さ4m程の火山灰・ローム層をはさみ,その一部にAso−4火山灰などがはさまれており(道東の自然史研究会編,1999),平成15年度調査の火山灰分析でも確認した.
植別川下流北岸沿いの柱状対比図(図3−1−21)では,まず,中位面1に対応する3露頭(nm−39,40,41地点)では,中位面堆積物が20m+の厚さで分布する.同堆積物は火山灰・ローム質層を所々ではさむ.中位面1の現河床からの比高が上流側に大きくなることについては,扇状地的堆積面であることの他に,地形面の傾動も影響しているかもしれない.
以上で述べたように,高位面と中位面1に変位が存在する可能性が高い.