4−1−5 丸山地区

峯浜北方海岸およびポン陸志別川沿いの柱状対比図(図3−1−19)では,下位より幾品・陸志別層(一部が鮮新世火山岩類)が20°前後の傾斜で東〜南東方向へ傾き,その上位に中位面堆積物が斜交不整合関係で重なり,さらに低位面1堆積物,低位面2堆積物,最低位面堆積物および現河川氾濫原堆積物の一部が二重・三重に重なる対比断面状況が観察できる.特に中位面堆積物は厚さが10m前後であり,分布高度について,峰浜北方海岸(nm−03地点)では標高35〜40m付近に分布するが,ポン陸志別川河口付近(nm−04,05,07地点)では10〜25m前後で,この間に20m程度の低下がある.それは峯浜北方沿岸での中位面1の小丘状の隆起を反映している可能性が大きい.

陸志別川南岸沿いの柱状対比図(図3−1−20)では,まず,高位面に対応する3露頭(nm−12,19,75地点)を比較するが,nm−12地点では高位面堆積物が厚さ20m程度で認められるが,これがnm−19・75地点のものに岩相的にそのまま対比できる条件はないが,取りあえず面の傾動があると見なした.nm−21地点では15m+の厚さの中位面堆積物の上位に低位面1堆積物(厚さ5m程度)が重なる.中位面堆積物の主体は礫相であるが,厚さ4m程の火山灰・ローム層をはさみ,その一部にAso−4火山灰などがはさまれており(道東の自然史研究会編,1999),平成15年度調査の火山灰分析でも確認した.

植別川下流北岸沿いの柱状対比図(図3−1−21)では,まず,中位面1に対応する3露頭(nm−39,40,41地点)では,中位面堆積物が20m+の厚さで分布する.同堆積物は火山灰・ローム質層を所々ではさむ.中位面1の現河床からの比高が上流側に大きくなることについては,扇状地的堆積面であることの他に,地形面の傾動も影響しているかもしれない.

以上で述べたように,高位面と中位面1に変位が存在する可能性が高い.