４−２−４　旭断層
平成１３年度反射法地震探査において札内・千住両測線地下で新第三系上部中新統（糠内層相当以新）に累積的な傾動変位を与えていること，音更町栄南方の台地上では，芽登凝灰岩を西落ちに５０ｍ以上傾動させていることから，少なくとも新第三紀中新世後期以降，中期更新世までは確実に活動している．芽登凝灰岩（０．９９Ｍａ）の旭断層による垂直変位量は５０ｍ以上なので，中期更新世以降の平均変位速度は０．０５ｍ／ｋａ以上となる。また、栄南方ではＭａ−ｔ３面に対比される可能性がある狭小な地形面が変位している可能性がある。地形面堆積物の大部分が失われているため地形面対比の根拠に乏しく，変位基準としての確度は低いものの、海成段丘アトラスに基づきＭａ−ｔ３面の年代を２９０ｋａとすれば、垂直変位量は２０ｍなので平均変位速度は０．０７ｍ／ｋａとなる。これらから旭断層の活動度はＣ級中位となる．