4−1−16 光地園断層

変位地形は、広尾町紋別を北端とし、広尾町野塚の西方まで追跡できる。走向はNNW−SSE、総延長は7kmである。変位地形は断続的だが、明瞭なところでは西落ちの撓曲崖を成す。地下構造について、光地園断層は,大局的な構造としては,地質断層として新第三系と古第三系を境する広尾断層に一致するとみなせる.広尾断層はすくなくとも中札内町上札内付近を北端,広尾町の市街地付近を南端(ただし,その南東延長の海域まで追跡できる可能性は否定できない)とし,NNW−SSE方向の走向を持つ,東落ちの正断層である.変位地形が認められる区間では広尾断層と光地園断層のトレースは概ね重なる。しかしより詳細には、平成14年度上野塚トレンチ、平成15年度紋別トレンチとも、地表に達する断層は新第三系豊似川層分布域にあることから、光地園断層のトレースは広尾断層よりもやや東に寄っている(数十m程度か?)ことになる。地下深部(数km深程度)で広尾断層と光地園断層が同じスリップ面を使っていると仮定すると、光地園断層は地表近くで広尾断層から分岐しより急傾斜なスリップ面を新たに発生して活動していると見なすことができる。これを検証するには、より深部において変位箇所を高精度で求めることが不可欠だが、現時点では難しい。