4−1−12 上更別断層
リニアメントは幕別町勢雄の東方を北端とし、更別村上更別に至る。走向はNNE−SSWであり、総延長は15kmである。ただし、地形的には段丘崖であり、変位基準となる地形面は厳密には存在しない。上更別には西向きの斜面が認められるが、段丘礫層はフラットであり、斜面地形と対応しないことから、浸食された段丘崖を見ている可能性が高い。地形学的には、必ずしも活断層である証拠はない。一方、地下構造に関する情報は乏しい。重力異常の観点からは上更別断層は極めて顕著な重力異常急変帯として認められるが、地表踏査ではそれに対応するような基盤地質(池田層)の急立帯は認められなかった.重力異常の急変は、豊頃丘陵に露出する先第三系に由来する可能性がある。地質的にも活断層である根拠はない。少なくとも活断層であるとする積極的な根拠はない。