図3−4−4にボーリング位置図,図3−4−5にボーリング柱状図を示し,確認した地質層序を表3−4−5で一覧する.
また,ボーリング調査に付随して行なった地点周辺の地表踏査結果も踏まえ,露頭層序とボーリング調査結果を対比するために地質断面図を作成した(図3−4−6).
表3−4−5 S03−2孔(開陽地区)層序表
[孔井地質の概要]
深度0.0〜0.4m:耕作土
多少攪乱されており,草根を混在する.
深度0.4〜1.1m:腐植土
全体的に軽石が散在する.0.43〜0.52m間は逆級化構造の発達する軽石質部で,上下層に漸移する.0.58〜0.67m間は軽石混り砂で下位の境界が不明瞭.
深度1.1〜2.4m:軽石混り砂
塊状または所々葉理が弱く発達し,再堆積性の軽石円礫を混在する.上部に向かって軽石含有率は増加する.
深度2.4〜3.4m:軽石〜火山灰
2.35〜2.51m間は塊状でラピリ・スコリアの散在する軽石(Ma−g).2.51〜2.65m間は塊状の軽石〜スコリア(Ma−h).2.65〜3.10m間は塊状でラピリ・スコリアの散在する軽石(Ma−i).2.65〜3.15m間は青灰色のガラス質細粒火山灰(Ma−j).腐植土を挟在し,3.21〜3.42m間は風化の進む細粒火山灰(Ma−k?).
深度3.4〜4.1m:軽石混り砂
塊状で再堆積性の軽石円礫を多含するが,砂が主体となる部分も認められる.上部は土壌化が進み,最上部には腐植土を伴う.
深度4.1〜5.4m:軽石質火山灰(Ma−l)
全体的に塊状で最下部には逆級化構造が発達する.軽石の最大径は3pが確認される.ラピリ・スコリア散在.
深度5.4〜6.8m:火山灰質砂〜砂
塊状から葉理の発達するローム質の細〜中粒砂が主体.所々軽石・安山岩等の円礫が散在する.炭質物(14C放射年代:12,410yBP)を含む.6.17〜6.25m間は中礫層(最大径4p).
深度6.8〜13.2m:砂礫
円磨された中〜大礫を主体とし一部巨礫を混在する.基質は粗粒砂.礫種は安山岩が主体で凝灰質砂岩が少量認められる.7.65〜7.88m間はシルトを挟在する.7.83〜8.30m間は粗粒砂が主体となる.
深度13.2〜15.4m:火山灰質砂〜シルト
塊状から葉理の発達するローム質の砂〜シルトで,円磨された軽石・細礫が散在する.一部には炭質物も散在する.14.94〜15.23m間は安山岩の中礫を主体とする砂礫.
深度15.4〜20.0m:砂礫
円磨された中〜大礫を主体とし一部巨礫(最大切り長12p)を混在する.基質は中〜粗粒砂.礫種は安山岩が主体でデイサイト・流紋岩・軽石が少量認められる.
図3−4−4 S03−2孔(開陽地区)ボーリング位置図
図3−4−5 S03−2孔(開陽地区)ボーリング柱状図
図3−4−6 開陽地区S03−2孔付近の地質断面図(高さ:距離=10:1)