[地形地質調査(概査)]
長さ45kmに達する標津断層帯の概要の把握と詳細調査の位置決定を目的に,既知の断層帯とそれを囲む,幅10〜24km・長さ55kmの範囲(930ku)について現地踏査を行った(図2−2).その結果を縮尺1/50,000の活断層・地形面区分図(付図)として表現した.さらに,地形面や地層の年代を決定するために,14C年代測定,火山灰分析および花粉分析を行った(表2−2).なお,空中写真判読と文献調査については平成14年度の予察的調査の中で取り組んでいるが,なお不十分なことから補足的に文献・資料の追加および再検討を行った.
[重力探査]
平野側から山地へ断層帯を横断する方向で断層帯の地下構造と活動の有無を把握するために,浅層反射法地震探査箇所の標津町西標津・中標津町開陽・同 養老牛の3地区で計5測線・298点の測定を行った.
[浅層反射法地震探査]
重力探査と同様に,断層帯を横断する方向で活断層の位置・周辺の構造把握を目的に実施した.古多糠断層南部を対象に西北標津地区でS−1測線(5km長),開陽断層南部を対象に開陽地区でS−2測線(3km長),荒川−パウシベツ川間断層を対象に養老牛地区でS−3測線(3km長)を実施し,解析を行った.
[ボーリング調査]
地形地質調査で軽微な変位部が検出できた箇所,浅層反射法地震探査実施箇所で,表層の層序を確認するために,西古多糠地区(開陽地区),開陽地区および養老牛地区で各1孔(深度20m,S03−1〜3孔)を掘削し,解析を行った.
[総合解析・報告書作成]
上記の調査・探査の結果を比較検討し,総合化を行ない,成果と問題点を深めた.そして,平成16年度調査の計画を検討した.