本地区における御料断層の活動性に関するパラメータは以下のとおりである.
(1) 最新活動:最新活動時期は約1800y.B.P.以降,約1600y.B.P.以前である可能性が高い.
(2) 最新活動の1回前の活動:ピットA及びボーリング調査結果から,一回前の活動が約9500y.B.P.以降,約2500年前以前にあった可能性が高い
(3) 単位変位量:トレンチ及びその地形面から,最新活動における鉛直変位量が約1mと推定された.また,ピットA及びその周辺の群列ボーリング調査結果から最新及びその一回前の累積変位量は約2.5mである.このことより,同断層帯の鉛直単位変位量は,約1〜1.5mと考えられる.
(4) 平均変位速度:群列ボーリング調査結果から,支笏第1テフラ(Spfa−1:40〜45Ka)の鉛直変位量は約7m以上であることが明らかとなり,このことから,平均変位速度は0.15m/1000年以上と算出される.