二線川とナマコ山が交差する付近では,北海道開発局による地質調査がおこなわれており,ボーリング孔において,断層の存在が確認されている(図3−1−2).
富良野演劇工場のある二線川と四線川にはさまれたナマコ山は,T2面からなる.ナマコ山西縁には,逆向き断層崖をもって,西側のT4面と接している.その比高は約28mである(図3−1−3).既存のボーリング資料を参考にすると,T2面堆積物の基底面の高度差は,64mである.
四線川左岸には扇状地形面がほぼ連続して分布し,そのうちT4面に逆向き低崖が存在する.低崖の比高は約2.5mである.この地点は,後述する中御料地区として精査をしたため,詳細は調査結果を参照のこと.図3−1−3に四線川左岸の扇状地面を横断する地質断面図を示す.
図3−1−3の断面図から,ナマコ山は,御料断層による東側隆起の逆断層運動で説明可能である.断層の構造は,東側では傾斜60度の高角断層であるのに対し,地表付近で急激に低角化する(図3−1−3).この断層は地下深部では,また低角化する(図3−1−4),いわゆる“L”字状の構造を示している.