@発生する場所:光地園断層
A地震の規模:現時点では不明.今後の調査を要す
B発生の時期:現時点では不明.今後の調査を要す
光地園断層に関しては,地表踏査,トレンチ調査,ボーリング調査などから,少なくともSpfa 1降下(41ka)以降に繰り返し活動していた可能性は極めて高い.過去数万年間に繰り返し活動していることから,今後も1〜数万年程度の活動間隔で地震を発生するポテンシャルを持つ断層であることは疑いない.しかし,今年度調査では,その最新活動期・活動間隔,単位変位量,および活動的なセグメント長を絞り込むには至っておらず,今後より新期の堆積物が発達するヶ所で最新活動期等を早急に決定する必要がある.
その他の断層は,いずれもその他の第四紀断層に相当するものであり,後期更新世以降の活動の証拠がない.C級活断層では1〜数万年間隔の活動間隔を持つものもあり,これらが今後活動する可能性は皆無ではない.現在の活断層調査法では,これらの断層に関するこれ以上の活動度検討は困難である.第四紀前期〜中期の堆積物に傾動が認められ,断層リニアメントが高位段丘の段丘崖を成す場合が多いのに対し,低位段丘・現河床堆積物など新期の堆積物に変位が見られないことは,十勝平野断層帯のうち光地園断層を除く他の断層において後期更新世〜完新世に活動度が低下した可能性を示唆するものかもしれないが,最終的な結論を出すには,地形地質に関する多角的な視野から慎重な検討が今後必要である.