断層変位地形の可能性があるものは,音更町豊田付近に見られる東側が高い微高地がある.ただし比較的明瞭な西側リニアメントはNa−t3,Na−t6の段丘地形の境界となっており,変位基準としては不的確である.東側リニアメントについては,現地調査の結果リニアメントを夾んで比高変化は認められず,走向の振れも顕著なことから,開析された旧河道と考えられる.現時点では,稲穂断層を認定する科学的根拠は指摘できない.