(3)愛国地区

B−6−1孔<地層記載>

B−6−1孔では地表から1.72mまでが耕作土となっており、深度2.00mまでも耕作による撹乱をうけている可能性が高い。震度2.00m〜2.30mは黄褐色のローム層となっており、下部は火山灰混じりである。

深度2.30〜3.40mは、最大径2mm黄色〜黄橙色の軽石を含む粗粒火山灰層となっている。火山灰層の上部2.30〜3.17mの間は不明瞭ながら葉理が観察され、有色鉱物が遊離して葉理を形成している。最下部には淘汰のよい黄橙色火山灰層が確認され、この下位3.40〜3.90mには褐色のローム層が見られ、最下部はやや砂質となっている。

深度3.90〜18.00mの間は最大礫径が8cm以上の円〜亜角礫からなる砂礫層となっている。マトリックスは砂が優勢で下部は砂優勢部分とシルト混じり粗粒砂が互層状となっている。深度13.35〜13.75mには比較的淘汰の良い砂層となっている。砂礫層中には泥岩・砂岩や変成岩類・花崗岩類の礫が認められ、このうち花崗岩類の礫径が比較的大きい。

深度18.00〜20.00mにはマトリックスがシルト優勢な砂礫層が見られるが、この礫層中に含まれる花崗岩類は上位の砂礫層に比べて礫径は極めて小さい。また、砂礫層全体の礫径も小さく、最大礫径は5cm程度である。深度20.00〜21.15mの間もマトリックスがシルト優勢な砂礫層が見られるが、この砂礫層に含まれる礫は花崗岩類を多く含み、礫径もやや大きい。

深度21.15〜24.40mの間はマトリックスがシルト優勢な砂礫層となっているが、全体に礫の占める割合が少なく、最大礫径も4cm程度であり、花崗岩類の礫をほとんど含まなくなる。深度23.50m付近にはレンズ状で砂質の火山灰が含まれるが、コア状態が極めて悪いため詳細は不明である。

深度24.40〜28.70m間は比較的淘汰の良い中〜粗粒砂となっている。深度25.80〜25.95mと27.00〜27.33mにシルト、深度26.20m付近と26.30〜26.40mに薄い礫層を挟む以外は、砂岩・礫岩の円礫が点在するのみである。深度28.70〜33.48mには礫混じりのシルト層が連続し、最下部ではやや砂質となっている。このシルト層中には最大径5cmの円礫が含まれるが、礫種は砂岩・泥岩がほとんどであり花崗岩類の礫は見られない。

深度33.48〜36.60mには暗灰色の泥層およびシルト層、黒色の泥炭・亜炭層が互層となっている。これらの地層の層理面は5〜10°の傾斜を示すことが確認され、いずれの地層も固結したものとなっている。

B−6−2孔<地層記載>

B−6−2孔では地表から0.80mまでが耕作土となっており、深度0.80〜1.40mまでの間もボーリング掘削時もしくは耕作による撹乱を受けている可能性が考えられる。

深度1.40〜1.79mの間か褐色のローム層であるが、1.60〜1.70mの間に暗黄色の軽石が楔状に入っているのが観察される。深度1.79〜2.65mは黄橙色〜橙色の細粒軽石層となっている。この軽石層の上部は不明瞭ながら遊離鉱物やシルト質火山灰による葉理の発達が確認される。最下部は淘汰が良いガラス質の火山灰(細粒軽石)となっている。軽石層の下位深度2.65〜3.33mにはややシルト質の褐色ローム層が見られる。

深度3.33〜4.53mには正級化を示し淘汰の良い細〜中粒砂が見られる。この下位には深度11.90mまで砂礫層が連続するが、上位の砂層と砂礫層の境界は漸移関係である。砂礫層は最大礫径が10cm以上で、円〜亜角礫で構成され、マトリックスは砂優勢であり下部はシルト混じりとなる。砂礫層中に含まれる礫は泥岩・砂岩、花崗岩類・変成岩類などであるが、花崗岩類の礫径が大きい。

深度11.90〜15.28mの間に見られる砂礫層はマトリックスにシルトを多く含むようになり、最大礫径は7cmで上位の砂礫層に比べると全体に礫径が小さく、花崗岩類の礫が極端に少なくなっている。この砂礫層の最下部にはマトリックス中に風化した径1mm程度の軽石粒が観察された。

深度15.28〜20.30mにはマトリックスが砂混じりシルトの砂礫層が見られるが、この砂礫層は最大礫径が7cm以上で円〜亜角礫で構成され、花崗岩類の礫が比較的多く認められ、その礫径も大きい。

深度20.30〜23.85にはマトリックスがシルト優勢な砂礫層が見られる。この砂礫層は礫径が小さく、礫の占める割合も小さい。また、構成する礫種は泥岩・砂岩がほとんどで花崗岩類はほとんど認められない。最上部にはやや砂質のマトリックス中に火山灰質の粗粒砂が含まれる。

深度23.85〜25.97mには礫が点在する粗粒砂が見られる。この地層は下部でシルト混じりとなり礫の含む割合もやや多くなるが、花崗岩類の礫はほとんど含まれない。深度25.47m付近にはやや発泡した軽石粒が点在する。

深度25.97〜31.35mには礫混じりシルト層が連続している。この地層に含まれる礫は、礫径が小さく、礫の含まれる割合も極めて小さい。また、礫種は砂岩・泥岩がほとんどであり花崗岩類は確認されない。

深度31.35〜31.70mの間は固結した黒色の腐植層(亜炭)と暗灰色の腐植質シルトとなっている。

B−6−3孔<地層記載>

B−6−3孔では地表から1.58mまでが耕作土となっている。深度1.58〜2.15mは褐色のローム層であるが、深度1.78〜1.90mの間は淡褐色の火山灰質ローム層となっている。

深度2.15〜3.00mにはマトリックスが砂優勢の砂礫層が見られるが、この砂礫層に含まれる礫種は泥岩・砂岩の円礫がほとんどで、花崗岩類の礫が見られない。また、礫径が小さく最大でも5cm程度である。

深度3.00〜18.00mにはマトリックスが砂優勢の砂礫層が見られる。この砂礫層は最大礫径が10cmを超え、円〜亜角礫によって構成され、礫の占める割合も大きい。砂礫層の下部はマトリックスにシルトが含まれる。礫種は泥岩・砂岩・花崗岩類・変成岩類・細礫岩など多種にわたるが、花崗岩類の礫径が大きい。

深度18.00〜24.95mにはマトリックスにシルトが多く含まれる砂礫層が見られる。この砂礫層は、礫径が小さく最大礫径は7cm程度で、全体に礫の占める割合が小さい。また、構成する礫種は泥岩・砂岩であり、花崗岩類の礫がほとんど確認されない。深度20.77〜21.00mの間と23.95〜24.00mの間に火山灰質の部分が認められる。

深度24.95〜27.95mには礫混じりの粗粒砂もしくはマトリックスが砂優勢の砂礫層が見られる。この地層に含まれる礫は円〜亜円礫で礫径もやや大きいが、礫の占める割合が小さく、花崗岩類の礫がほとんど見られず、泥岩・砂岩によって構成されている。

深度27.95〜29.35mにはマトリックスが砂混じりシルトの砂礫層が見られる。この砂礫層は礫の占める割合が小さく、最大礫径も4cm程度である。また、礫種は泥岩・砂岩によって構成され、花崗岩類の礫を含まない。

深度29.35〜31.00mには亜炭を含む細粒砂や暗灰色のシルト・泥層が認められる。この地層は固結が進んでおり層理面の傾斜が5°前後となっている。