(1)旭地区

B−1−7孔<地層記載>

B−1−7孔では地表から0.6mまでが耕作土となっている。この直下から深度2.46mまでは未分解の植物片を多量に含む黒色の強〜中腐植層となっている。この腐植層には深度0.73m〜0.86mに灰褐色の細粒火山灰層、2.03m〜2.15mには砂混じりの細粒軽石層が確認された。また、深度2.20m〜2.35mには細礫混じりシルト層が挟まれる。

深度2.46m〜3.08mの間は炭化物や植物片を含むシルト混じりの砂層であり、中部に細礫をふくみ下部はシルト優勢である。この層準には層相変化とは無関係に連続する植物片が観察される。

深度3.08m〜6.51mは砂層または砂礫層となっている。マトリックスは砂質で含まれる礫の最大礫径は7cm以上であり、円礫を主体とする。班晶の大きな安山岩が目立ち、凝灰岩・泥岩・砂岩などは含まれる。上位の層とは異なり炭化物や植物片などはほとんど含まれない。

深度6.51m〜7.00mには礫混じり砂層が見られ、深度7.00m以下8.00mまでは砂質泥層となっているが、いずれも大量の貝殻片を含んでおり、葉理の傾斜は20°〜30°を示している。

B−1−8孔<地層記載>

B−1−8孔では地表から0.16mまでが耕作土となっている。この直下の0.16m〜0.20mには黄褐色の細粒火山灰が見られる。深度0.20m〜1.56mは未分解の植物片を大量に含む、黒色〜黒褐色の強〜中腐植層となっており、深度1.24m〜1.33mには砂混じりの細粒軽石層が認められる。

深度1.56m〜3.30mの間は炭化物や植物片を含むシルト混じりの砂層であり、粒度の差や植物片の含まれる量の差による葉理が観察され、層相変化とは無関係に縦方向に連続する植物片が見られる。

深度3.30m〜5.59mには砂礫層が堆積している。この砂礫層は、マトリックスが砂質で含まれる礫の最大径は8cm以上であり、円〜亜円礫を主体とする。礫種は安山岩が多く含まれ、礫径も大きい。泥岩・砂岩・凝灰岩の礫も見られる。

深度5.59m〜8.00mには白色のやや円摩された軽石が点在する。軽石は発泡が悪く最大径は7mmで下部では含まれる量が多い。

B−1−9孔<地層記載>

B−1−9孔では地表から0.38mまでが耕作土となっている。深度.038m〜1.50mには、未分解の植物片を多量に含む黒色の強〜中腐植層となっている。この腐植層中には深度0.42m〜0.45mに灰褐色の細粒火山灰層、0.92m〜0.93mには黄灰色の中粒火山灰沿層が不規則なレンズ状に堆積しており、1.21m〜1.33mには砂混じりの細粒軽石層が確認された。

深度1.50m〜3.56mには植物片や炭化物を含むシルト混じりの細粒砂が見られる。このうち、深度2.15m〜2.41mには黒色の強腐植層が挟まれる。全体に腐植物の含まれる割合が高く、炭質物の集中する薄層をいくつも挟む。また、層相変化とは無関係に縦方向に連続する植物片が見られる。

深度3.56m〜5.29mには砂礫層が堆積している。この砂礫層は、マトリックスが砂質で含まれる礫の最大径は6cm以上であり、円〜亜円礫を主体とする。礫種は安山岩が多く含まれ、礫径も大きい。泥岩・凝灰岩の礫も見られる。

深度5.29m〜5.79mにはやや固結した砂質シルト層がみられ、この間に挟まれる細粒砂の薄層は26°の傾斜を示している。深度5.79m〜8.00mには比較的淘汰の良い細〜粗粒砂層がみられる。この砂層中には、深度6.05m〜6.10mに細礫層、深度6.89m〜7.20mには貝化石の密集帯が見られる。