本孔では,砂層とシルト〜シルト質砂層との互層が分布し,シルト〜シルト質砂層には比較的厚い腐植層〜腐植質シルト層を伴う.礫層もしばしば挟在するが,礫径は小さく,層厚も薄い.
本孔における14C年代は,深度9.5m付近で約 y.B.P.の値を,深度13m付近で約23000y.B.P.の値を示すことから,深度11.8m付近の礫層が,沖積層の基底に相当するものと考えられる.このことは,本孔に近い富良野市宇文のボーリング・コアで研究を行った五十嵐ほか(1993)による結果とほぼ整合的である(図4−9).
また,火山灰分析の結果によると,本孔で認められたテフラのうち,深度22.45m〜22.80mに挟在する白色ガラス質細粒火山灰層〜細粒軽石層が支笏第1テフラ(Spfa−1;約4万年前)に対比される(図4−8).
その他のテフラについては,深度37.49m〜37.50m,深度37.61m〜37.62m及び深度38.20m〜38.28mの3層準に認められるものついては,クッタラ火山起源のテフラとの類似性もあるものの,現段階では確実な対比は困難である(図4−10).