(1)御料測線

測線位置および観測点を図2−2−1に,解析結果を図2−2−2に示す.

全体的に西側から異常値が減少していき,最後の1km部分で上昇していくという傾向となっている.これは長波長の部分で富良野盆地の基盤構造をあらわしているためと考えられる.また,標高値の推移も似たような変化を示していることから,標高の影響も若干含まれている可能性もある.

詳細な変化を見ていくと,8番点ないし25番点付近で異常値の傾きに変化が見られるが,これらは測線の方角の変化と対応しているため,その影響と考えられる.

33番点から減少が緩み,38番点をピークとして43番点にかけて異常値は急落している.標高変化との対応も取りづらいことから,地下浅部における構造変化をあらわしていると考えられる.この変化はナマコ山の中軸部のやや東側で見られ,柳田ほか(1985)によって,40〜47°で東に傾斜する十勝火砕流堆積物とそれを覆う河成堆積物が観察された地点と一致する.このことから,この変化はこれらの層が東側から西側に向かって急傾斜で上昇し,十勝火砕流堆積物が地表に露出していく様子をあらわしていると考えられる.

また,54番点から74番点に向かって異常値が緩やかに上昇している.地表面は平坦であること,および長波長の変化であることから,やや深い地下構造の変化,おそらくは基盤構造の変化であると考えられる.これは次に述べる鳥沼測線での西端の変化の傾向と似ていて,かつ盆地東端からの距離の対比もとれることからもいえる.