2−1−2 調査項目

本年度は,第1年次目として,地形地質調査(概査),重力探査,反射法地震探査,ボーリング調査を実施した(表2−1).14C年代測定および火山灰分析(屈折率測定)の測定数量を表2−2に示す.

[既存資料調査(直営)]

 地形・地質に関する文献および地盤・水井戸・温泉などに関する地下地質資料を収集した.

[地形地質調査(直営)]

総延長は40kmに達する富良野断層帯を把握することを目的として,断層リニアメントの前後幅2kmの80km2について空中写真判読を,同リニアメントの幅1kmについて現地踏査を実施した(図2−2).その結果を,縮尺1/25,000の地質図として表現した.また,地形面の年代を決定するため14CC年代測定およびテフラ分析を行った.

[重力探査(直営)]

断層は富良野盆地の東西両端に位置し,盆地の成立に断層運動が深く関与しているおもわれる.しかし,低地下の構造についての情報は乏しいことから,重力探査を実施した.反射法地震探査とあわせて詳細な断面解析を行うためのプロファイル測定(測定点数:134点)をおこない断面解析を行った.また,盆地全体の地下構造を把握するため広域測定(測定点数:110点)を実施し,ブーゲ異常分布図を作成した.

[反射法地震探査]

活断層の位置・構造を把握する目的で,P波反射法地震探査を実施した.測線は,中御料断層の南方延長,御料断層,中富良野ナマコ山断層を横断する八線測線(3km)と麓郷断層aを横断する東鳥沼測線(2km)の2つである(図2−1).

反射法地震探査は,富良野市八線において測線長3km,同市東鳥沼において測線長2kmのP波を震源とする反射法地震探査を行った.探査深度は,地下500m程度以深とし,震源は油圧インパクター(加速式重錘落下震源)を使用した.起震点間隔・発信点間隔はいずれも5mとし,受信点数は60チャンネル以上,サンプリング間隔は1msec以下とした.処理・解析は,共通重合法を基本とし,データ編集,ミュート処理,振幅回復処理,速度解析,共通反射点重合,マイグレーション処理などを行った.

[ボーリング調査]

ボーリング調査は,上記の富良野市八線及び同市東鳥沼の反射法地震探査測線上と富良野市中御料においてそれぞれ実施した(図2−1).富良野市八線では2孔を,富良野市東鳥沼では1孔を,いずれも反射探査測線上で実施した.また,富良野市中御料では,中御料断層の位置,活動性を明らかにすることを目的に,4孔を実施した(図2−1).これら7孔の総延長は248.5mである.ボーリング掘削は,外径86mm,コア径60mm以上のオールコアリングで行った.採取したコアは,コア箱に収納して,写真撮影,観察及び記載・スケッチ(1/20)を行い,ボーリング柱状図は1/100で作成した.また,採取したコアのうち,9試料について14C年代測定を,9試料について火山灰分析を実施した.