4−2−1 旭断層

旭断層は,従来想定されていた長流枝内丘陵からさらに南方,幕別台地北縁までに達していることが,地形地質調査,重力調査,反射法地震探査により明らかとなった.断層長は,従来考えられていた約4kmから,8kmへ修正される.池田層(芽登凝灰岩)に急立帯が存在することから,中期更新世以降も撓曲が継続していたことは明らかである.また,Ma−t10面,Ma−t11面に断層変位により形成された可能性がある東上がりの撓曲崖が存在すること,ボーリング結果によりリニアメントを挟んで1万年前以降の堆積体の岩相が異なることから,少なくとも1万年前後にも活動していた可能性は高い.しかし,これらの“撓曲崖”が,断層変位でなく,川の浸食とその後の差別的堆積作用により形成された可能性も残る.

今後は,最新活動期を明らかにするため,Ma−t11面においてトレンチ調査を行ない,最新活動期を確定する必要がある.トレンチ調査に先行してピット調査を実施し,調査箇所を最終的に判断するのが望ましい.