4−1 ストリップマップの作成

ストリップマップの作成にあたっては,その使われかたを考慮した,十分なデータに基づいた慎重な検討がなされるべきである.本調査は,調査フローに示したように詳細調査の成果後の4年次目に最終的な総合解析を行ない,活動性の評価を行う予定である.

今回の調査で,比較的新しい(最近数万年間以新)地形面の編年が進んだこと,活断層周辺に地質構造に関してかなりの情報が得られたことなど,大きな進歩が得られたと考えている.また,途別川断層,旭断層,光地園断層に関しては,変位地形と考えられた地点に関してより詳細な地形地質,極浅部の地下構造の情報が得られ,活断層による変位が存在する可能性とともに,特に光地園断層に関しては活断層そのものが存在しない可能性も挙げられた.しかしながら,茂発谷断層,新和断層,弘和断層に代表される,リニアメント上に変位基準として古い地形面しか存在しない断層群については,活動性に関して十分な成果が得られたとは言えない.以上,1年次目の地形地質調査,物理探査,ボーリング調査により洗い出された問題点については,2年次目の詳細地質の調査時に対応したいと考える.