紋別地区で実施したボーリング調査の結果を図3−3−1−12に示した。
このボーリングコアの観察からB−3−3孔の深度5.60m以下の砂礫層は河川性の堆積物であり、深度2.77〜3.11m間は橙色の淘汰の良い火山灰は支笏第一軽石層(Spfa−1)であると考えられる。この直上に分布するガラス質の火山灰層はSpfa−1を母材とする風性砂の可能性が高い。
B−3−4孔の深度1.00から9.30mの間に見られる細粒の角礫層は、崖錐堆積物もしくは小扇状地の堆積物の可能性が高く、背後に近接する山地・丘陵地斜面から供給された可能性が高い。また、深度9.30m以下の砂礫層は河川性の堆積物が主体をなすものと考えられる。
注3
B−3−3孔の深度5.60以下の砂礫層およびB−3−4孔の深度9.30m以下の砂礫層は、いずれも最終氷期前半の堆積段丘を形成する砂礫層の可能性が高いが、現時点では火山灰の対比が行われていないことから、この2地点での地層対比は行えず、断層活動を検討するに必要な連続していた地形面、もしくは、同一の高度にあった地層を限定できないため、断層活動に関する議論は困難である。