B−1−1孔では表層から深度0.55mまでが耕作土および盛土となっている。0.55mから1.75mまでは、未分解の植物片を多量に含む腐植層となっており、深度1.28m付近に白色の中粒砂がレンズ状に堆積している。深度1.75から2.85mには植物片を含む腐植質のシルト〜中流砂が堆積している。この間に見られる砂は淘汰が良く、細粒部は腐植物を多量に含む。
深度2.85から5.23mの間は砂礫層となっており、深度3.70〜4.20mは比較的淘汰の良い粗粒砂が見られる。砂礫層に含まれる礫は、円〜亜円礫が主体で、最大礫径は7cm以上、平均1〜3cmの粒径を示す。礫種は安山岩、砂岩、凝灰岩の礫径が大きく、やや礫径の小さい頁岩なども含まれる。マトリックスは粗粒砂が優勢で、全体に淘汰は悪い。
深度5.23m以下には比較的淘汰の良い粗粒砂が見られる。下部には最大礫径4cmの円礫を含む細礫層が見られるが、この礫層も淘汰が良く、マトリックスが粗粒砂となっている。
B−1−2孔<地層記載>
B−1−2孔では表層から深度0.43mまでが耕作土となっている。深度0.43から2.31mには未分解の植物片を多量に含む黒色〜黒褐色の腐植層が見られる。この腐植層中には、深度0.46〜0.48m、深度1.55〜1.58mに細粒の火山灰層が確認された。また、深度1.84〜2.00mには砂質の軽石層が見られる。この軽石は白色〜白灰色のやや発泡の悪いもので、最大粒径は2mmで下方に粗粒な級化構造を示す。この未分解腐植層は深度1.08m以下では砂混じりの部分や分解が進みシルト質の黒色腐植層となっている部分もある。
深度2.31から3.50mの間には腐植質の中粒砂や炭化物を含む中粒砂がみられ、未分解の植物片を含む黒色腐植層も見られる。全体に下部ほど粗粒で炭化物や腐植物が含まれる割合が小さくなっている。
深度3.50から5.95mまでは砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫が主体であり、最大礫径は7cm以上、平均3〜4cm程度の礫となっている。礫種は礫岩、砂岩、頁岩、安山岩、凝灰質礫岩など多様なものとなっている。砂礫層下部ではやや礫の占める割合が少なくなっている。全体に淘汰は不良でマトリックスは粗粒砂主体である。
深度5.95から8.14mの間は、固結したシルト〜泥岩となっており深度6.64〜7.00m、7.70〜7.95mに炭化物を含む細粒砂が見られる。泥岩と細粒砂の境界をなす層理面は40〜50°の傾斜を示している。深度8.14から15.00mの間には淘汰の良い中粒〜粗粒の砂が見られるが、上部の泥岩に比較すると固結はやや弱い。しかし、深度9.25〜9.35mに見られるシルトや深度14.30〜14.67mに見られる炭化物のラミナは固結しており、これらの地層の示す傾は40〜50°であり上部の泥岩中で確認される傾斜と変化がない。
B−1−3孔<地層記載>
B−1−3孔では表層から深度0.55mまでが盛土や耕作土となっている。深度0.55から0.80mは黒色の腐植層となっており、深度0.64〜0.68mには淡褐色で細粒の軽石を含む細粒火山灰が確認された。深度0.80から1.45mには砂混じりのシルトが見られ、上部ほど細粒で腐植を含み、下部では砂質となっている。この地層には植物根が見られるが、上部層から連続する可能性がある。
深度1.45から2.05mには粗粒砂がみられ、深度1.58〜1.63mと最下部には細礫の薄層が確認された。深度2.05から2.73mには細粒〜粗粒の砂がみられ、中部には炭化物によるラミナが形成されている。
深度2.73から5.00mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫が主体で、最大礫径は6cm、平均1〜2cmの礫径となっており、淘汰は比較的良い。礫種は安山岩、凝灰岩、頁岩、砂岩、礫岩などで構成され、マトリックスは粗粒砂主体である。
深度5.00から5.75mの間には固結したシルトがみられ、下部には炭化物が含まれる。シルト中に挟まれる砂の薄層は25°〜30°の傾斜を示している。深度5.75から9.00mの間には淘汰の良い中〜粗粒砂が見られ、深度6.58〜7.00mには炭化物を含む固結したシルトが挟まれる。この層の示す傾斜は30°程度で上部の傾斜と変化は見られない。
B−1−4孔<地層記載>
B−1−4孔では表層から深度0.60mまでが盛土となっている。深度0.60から0.75mには黒色腐植土が見られ、深度0.75から1.40mの間は黄褐色のシルトとなっており、深度1.20〜1.24mに粗粒砂を挟んでいる。
深度1.40から4.33mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫が主体で、最大礫径は8cm以上、平均1〜5cmの礫径をしめし、淘汰は悪い。礫種は安山岩、頁岩、礫岩、砂岩などがみられ、安山岩の礫径がやや大きい。マトリックスはシルト混じりの粗粒砂となっている。
深度4.33から4.55mには灰色のシルト混じり粗粒砂が見られる。このなかにはわずかながら炭化物が点在する。
深度4.55から8.00mには淘汰の良い粗粒砂が見られる。砂層中には粒径1〜3mmのやや発泡の悪い白色軽石が大量に含まれ、明瞭な斜交葉理が発達する。葉理の傾斜は5°〜45°を示すが、層理面の傾斜は5°程度である。深度8.00から11.00mには火山ガラスを大量に含む凝灰質の細粒砂が見られる。砂層中には明瞭な斜交葉理が発達している。
B−1−5孔<地層記載>
B−1−5孔では表層から0.82mまでが盛土となっている。深度0.82から2.13mの間は未分解の植物片を多量に含む腐植層となっており、上部はシルト化が進んでいる。また、深度1.93〜2.04mには砂混じりの軽石層が確認された。この軽石層は発泡がやや悪い白色の軽石主体で、細粒から粗粒に変化する級化構造をしめす。粒径は1〜2mmで植物片を含んでいる。
深度2.13から3.05mの間は腐植・炭化物混じりの細〜中粒砂となっており、上部はシルト混じりで、細下部は細礫が点在し、下部層をわずかに削り込む。深度3.05から3.20mは炭化物を含むシルトとなっている。
深度3.20から7.30mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫主体で、最大礫径は7cm、平均2〜4cmの礫径を示す。礫種は安山岩、凝灰岩、砂岩、頁岩など多種にわたるが、安山岩・凝灰岩の礫径が大きい。マトリックスは粗粒砂主体で全体に淘汰が悪い。
深度7.30から9.00mには淘汰の良い粗粒砂が見られる。砂層中には発泡の悪い白色の軽石粒が多数含まれ、これらによって斜交葉理が形成されている。葉理の傾斜は10°〜30°である。
B−1−6孔<地層記載>
B−1−6孔では表層から深度0.37mが表土および耕作土となっている。深度0.37から1.15mは未分解の植物片を多量に含む腐植層となっており、深度0.43〜0.46mには淡褐色の細粒火山灰が確認された。この火山灰には径0.5〜1mmの軽石が含まれる。
深度1.15から2.11mの間は腐植質もしくは炭化物を含むシルト〜中粒砂となっている。1.55m付近には細礫を含む。深度2.11から2.83mの間もシルトもしくは細粒砂からなるが、炭化物や腐植を含むことが少なく、この地層中に見られる植物片は上位の地層から連続する植物根となっている。
深度2.83から5.90mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫が主体となっており、最大礫径は8cm以上、平均2〜5cmの礫径を示す。礫種は安山岩、砂岩、頁岩などであるが、安山岩の礫径が大きい。全体に淘汰は悪く、マトリックスは粗粒砂主体である。
深度590から7.00mには淘汰の良い粗粒砂が見られる。震度6.50以下には貝化石および貝片が多量に含まれる。貝化石のほとんどは二枚貝である。
B−2−1孔<地層記載>
B−2−1孔では、表層から深度4.52mまでが細〜粗粒砂となっている。深度1.25〜1.36m、1.68〜2.35mにはシルト層が見られる。深度1.95mより上部には炭化物や植物片は含まれないが、これ以下には炭化物や木片が含まれ、細粒砂はやや腐植質の部分も見られる。
深度4.52から20.00mまでは一連の砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜円礫で最大礫径が8cm以上、平均3〜5cmの礫径を示す。礫深度17.00m以下ではやや礫径が小さい。礫種は安山岩、凝灰岩などの火山岩類や砂岩、礫岩の堆積岩類が多く、花崗岩、あるいは変成岩類なども見られる。全体としてマトリックスは粗粒砂が優勢で淘汰は悪い。
B−2−2孔<地層記載>
B−2−2孔では、表層から深度1.30mまでが粗粒砂とシルトの互層で、深度1.30から3.62mの間は細粒砂となり最下部で粗粒砂に漸移する。深度2.45〜3.25mの間には流木と考えられる木片が確認された。
深度3.62から14.60mまでは砂礫となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜亜角礫で最大礫径は8cm以上、平均2〜4cmの礫径を示す。礫種は安山岩、砂岩、頁岩、花崗岩、礫岩、変成岩、凝灰岩など多様である。マトリックスは砂優勢で礫層全体に淘汰が悪い。
深度14.60から20.00mの間は淘汰の良い中〜粗粒砂が見られる。砂層中にはやや発泡の悪い白色軽石層が認められる。
B−3−3孔<地層記載>
B−3−3孔では表層から深度0.37mまでが盛土となっている。深度0.37から5.60mまでは軽石層、細礫層を挟むローム(風化火山灰)もしくはローム質シルトとなっている。このうち深度0.37〜1.22mの間はやや腐植質のローム層となっており、深度1.80〜3.11mの間はガラス質の粗粒火山灰となっている。この火山灰には細粒の軽石も含まれ、1.80〜2.77m間は黄褐色から黄橙色を示しやや砂質部分がある。2.77〜3.11m間は橙色の淘汰の良い火山灰となっている。また、深度3.62〜3.64mには火山灰質の細〜中粒砂が見られ、4.80m付近には細〜中粒サイズの軽石が含まれ、これには長柱状〜針状の有色鉱物が比較的顕著に認められる。
深度5.60から19.30mの間は砂礫層となっている。この砂礫層は亜円〜亜角礫主体で、最大礫径は10cmを超える。平均では1〜3cm程度の礫径を示す。礫種は変成岩類が優勢で礫径も大きい、他に泥質岩、砂岩、花崗岩も認められるが花崗岩は風化が進みマサ状となっているものも多い。全体に淘汰の悪い砂礫層となっており、マトリックスはシルト優勢である。深度10.23〜10.40mではマトリックスが火山灰質の砂となっている部分も認められる。また、深度11.75〜12.11m間にはシルトが見られ、これより下位の砂礫層は礫径が小さく、礫の占める割合も少なくなっている。
B−3−4孔<地層記載>
B−3−4孔では表層から深度1.00mまでが耕作土および盛土となっている。深度1.00から9.30mの間は軽石層、火山灰層および細粒の角礫層を頻繁にはさむローム層もしくはローム質シルト層となっている。このうち、深度1.00〜2.30mまでの間には礫混じりの弱腐植質シルトが見られる。
深度3.87〜4.00m、5.58〜5.69m、6.67〜6.73m、7.51〜7.55m、8.13〜8.19m、8.49〜8.65m、8.80〜8.86m、9.00〜9.30mの各層準には火山灰もしくは火山灰質砂層が確認される。深度3.87〜4.00mの火山灰質細粒砂には針状の有色鉱物が認められ、6.67〜6.73mの火山灰質細粒砂は黄灰褐色を呈する。また、9.00〜9.30mの火山灰質細粒砂は、比較的淘汰がよく、有色鉱物が観察され、径0.5〜1mm程度の軽石も見られる。
深度1.00から9.30mの間に見られる角礫層は礫径が最大でも2cm程度であり、ほとんどのマトリックスがシルトもしくはローム質シルトとなっている。
深度9.30から24.00mの間は砂礫層となっている。この砂礫層は亜円〜角礫が主体となっており、最大礫径は20cmを超えるが、平均的には1〜5cm程度の礫径を示す。礫種は変成岩が優勢で風化の進んだ花崗岩や泥岩、砂岩も認められる。全体に極めて淘汰の悪い砂礫層であり、マトリックスはほとんどの部分でシルト優勢である。
深度11.92付近には細粒のガラス質火山灰が礫間に付着している。深度16.62m以下では礫の占める割合が減少しているが、礫の最大径には変化が見られない。
B−4−1孔<地層記載>
B−4−1孔では表層から深度0.19mまでが表層の腐植土となっている。深度0.49から2.77mまではロームおよびシルト質ロームとなっている。深度1.45m以下では砂混じりの部分が見られ、深度1.89〜1.91mには径1mm程度の軽石を含む砂質の火山灰層が認められる。深度2.77から3.00mには黄褐色〜橙色の軽石質中流砂が認められる。
深度3.00から8.75mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は、円〜亜角礫が主体となっており、最大礫径は19cm以上であり、平均的な礫径は3〜6cm程度を示す。礫種は変成岩類、花崗岩、砂岩、泥岩、礫岩で変成岩の礫径が大きい。全体に極めて淘汰が悪いが、深度3.00〜7.50mの間のマトリックスはシルト優勢であるのに対し、下部の深度7.50〜8.75mのマトリックスは砂質となっている。
深度8.75から9.05mの間はスライム状となっているが最大礫径は3cm程度で円礫主体である。深度9.05から10.00mの間には固結した軽石混じり礫岩が見られる。この礫岩の最大礫径は1cm程度で5〜10mmの白色軽石が点在している。基質は細〜中粒砂、礫種は頁岩や泥質岩がほとんどだが、まれに変成岩類を含む。
B−4−2孔<地層記載>
B−4−2孔では表層から深度尾0.28mまでが盛土となっている。深度0.28から2.71mの間は黄褐色のローム層となっている。ローム層の下部は砂がわずかに混じる。深度0.28〜0.37mはやや腐植質で、深度1.80〜2.00mには黄色の軽石粒が点在する。深度2.71から2.79mの間は黄褐色の軽石質細粒砂となっている。
深度2.79から9.00mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は亜円〜角礫が主体であり、最大礫径は16cm以上、平均的な礫径は3〜8cm程度を示す。礫種は変成岩類、花崗岩、頁岩、砂岩などで変成岩の礫径が大きく風化した花崗岩が見られる。全体に淘汰は悪く、深度2.79〜6.85mの間はマトリックスがシルトであり、この部分の下部には弱腐植質のシルトを挟む角礫混じりシルト層が見られる。これに対し、深度6.85〜9.00mの間はマトリックスが砂優勢となっている。
深度9.00から12.00mの間は固結した軽石混じり礫岩となっている。軽石は円磨されたもので発泡は悪く、礫は円礫がほとんどで礫径は小さい。深度10.50〜11.00mにはラミナ状の堆積構造が観察されその傾斜は50°程度を示す。
B−4−3孔<地層記載>
B−4−3孔では表層から深度0.70mまでが表層の黒色腐植土となっており、深度0.40〜0.45mには白灰色から黄灰色の軽石層が確認された。この軽石は粒径1mm程度で発泡はあまり良くない。
深度0.70から1.88mの間はローム層となっているが、上部の0.70〜1.28m間は弱腐植質であり下部のローム層には細礫が含まれる。細礫は角礫がほとんどで凝灰岩や泥質岩などである。深度1.88から5.24mの間にはローム質シルト〜砂質シルトが堆積している。
深度5.24から14.71mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は亜円〜角礫が主体で、最大礫径は21cm以上、平均的な礫径は3〜7cm程度を示す。礫種は変成岩類、花崗岩、頁岩、砂岩などで花崗岩、変成岩の礫径が大きい。全体に淘汰の悪い砂礫層であるが、深度5.24〜10.76mも間はマトリックスがシルト優勢で、深度7.54〜7.64mには弱腐植質の礫混じりシルト層を挟む。深度10.76〜14.71mの間はマトリックスが砂優勢であり礫径がやや大きい。
深度14.71mから16.00mの間は塊状の固結した泥岩となっている。
B−4−4孔<地層記載>
B−4−4孔では表層から深度0.26mまでが盛土となっている。深度0.26から2.50mの間は細礫の点在するロームとなっている。このうち、深度0.26〜1.00m間はやや腐植質のロームである。深度2.50から4.12mの間は礫・砂混じりのローム質シルトであり深度4.12〜4.47mのシルト・差質シルトに漸移する。
深度4.47から10.00mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は円〜角礫であり、最大礫径は20cm以上である。平均的礫径は2〜6cm程度を示す。礫種は変成岩類、花崗岩類、砂岩、頁岩などで、変成岩の礫径が大きい。全体に極めて淘汰の悪い砂礫層となっているが、深度4.47〜6.90mの間はマトリックスが、シルト優勢で角礫が多い。これに対し深度7.00〜10.00mの砂礫層はマトリックスが砂優勢であり、円磨された礫がやや多く礫径も大きい。
B−4−5項<地層記載>
B−4−5孔では表層から深度0.32mまでが盛土となっており、深度0.32〜0.41mの間黒色の腐植土となっている。深度0.41から2.67mの間は均質なローム層となっている。下部の深度2.12〜2.67mの間はやや砂質になっており下位ほど砂が多い。深度2.67から3.30mの間は円礫を含む火山灰質の細粒砂となっている。
深度3.30から9.72mの間は砂礫層となっている。砂礫層に含まれる礫は亜円〜亜角礫が中心で、最大礫径は7cm以上、平均的な礫径は2〜5cm程度を示す。礫種は礫径の小さな砂岩・泥岩が多いが、礫径の大きな花崗岩・変成岩類が目立つ。全体に淘汰の悪い砂礫層であるが、深度3.30〜8.08mの間はマトリックスがシルト優勢であり、深度8.08〜9.72mの間はマトリックスが砂優勢である。
深度9.72〜12.00mの間は固結した軽石混じり礫岩・砂岩・泥岩の互層となっている。層理の傾斜は55°〜65°を示している。