地震探査は、地表あるいは地表付近で震動(弾性波)を人工的に発生させ、その地下からの応答(地震記録)を測定し、地下構造を推定する手法である。人工的に発震された弾性波は、地下の弾性的性質の異なる境界面(地層境界など)に達すると、その震動エネルギーの大半は屈折波として下位の地層へ進行するが、一部は上方へ反射して地表に返ってくる。この波を地表に配列展開した受振器によってとらえ、弾性波の到達時間や震動エネルギーの減衰の状況などから地下構造を推定する。このうち地表の受振器に初めて到達する弾性波を用いて解析するものは屈折法地震探査と呼ばれ、反射波を利用する方法が反射法地震探査である。
2 測定方法
(1) 測 量
各受振点・発震点の水準測量およびトラバース測量を実施した。水準測量の基準には1/25,000地形図の図根点を使用した。なお、測線は、R3測線を除き、直線でかつ平坦である。
(2)テスト
各測線での本測定に先立って、発震周波数および垂直重合数のテストを実施した。
(a) 発震周波数
発震周波数の帯域はR1〜R3測線では10〜120Hz、R4測線では20〜150Hzとした。
(b) 垂直重合数
垂直重合数は原則として4回とした。ただし、交通量の多いR1測線では夜間(午前2時〜5時)に測定を行い、重合数は原則2回とした。
(3) 測 定
テストの結果に基づき、表3−2−1−1に示す仕様で測定を実施した。
図3−2−1−1にスプリット展開の浅層反射法地震探査測定概念図を示す。
測定手順は、以下のとおりである。
バイブレータ震源の発震時間は10秒で、その間各受振点で受けた信号は CMPケーブルにより観測車内の探鉱機へ送られる。 探鉱機ではスウィープ毎に震源から送られたパイロット信号との相互相関を行い、所定の垂直重合を行う。モニター記録をチェックし、記録がよければ探鉱機内のハードディスクに書き込む。
その発震点での測定が終了すると震源は次の発震点に移動して同様の発震を行う。以下この測定作業を繰り返す。このような測定方法は共通反射点水平重合法と呼ばれる。
3 測定機器
浅層反射法地震探査に使用した測定機器は、表3−2−1−2に示すとおりである。