(2)セグメントd

トレンチ内およびその近傍の地質は,傾斜した地層であり変位基準が見られない.

大麻地区のボーリング調査で,Toyaテフラに覆われる堆積物を確認した.これは丘陵地側の地質と同じであり,この分布の比高差20mから,0.16m/1,000年の鉛直平均変位速度が得られる.ただし,ボーリング調査から得られた断面図に示されたように,ある特異点をもって地層が曲がる,切られるといった現象はみられず,変位の累積性といったものは全くみられない.トレンチ内の地層の傾斜では,完新世の地層までは,下位の地層ほど傾斜が急となるが,下位の更新統については,10°程度と傾斜角に有為な開きはない.