4−1−4 セグメントd

セグメントdは,野幌丘陵の西縁に位置する.酸素同位体ステージ5e相当の地形面が西向きに撓曲する.下盤側は沖積低地であり,その境界には沖積錘が発達する.

重力探査の結果,ブーゲ異常は,東から西へ直線状にさがる傾向をしめし,特異点をもたない.反射法地震探査の結果,反射面の傾斜は,下位ほど急であり,上位の地層ほど緩い傾向を示す「growth strata」を示す.測線上のボーリングコアの分析から,約4万年前の地層までが傾動していることが明らかとなった.

反射断面をみるかぎり,反射面に屈曲構造などは見られないことから,活断層が地表に達している可能性は低い.地質構造から考えると「growth strata」が形成されるには,順次,丘陵地側が断層運動により規則的に上昇する必要があり,そのためには断層が,丘陵地側では東に傾斜する断層で,丘陵地の縁で水平方向に折れ曲がる「断層折れ曲がり褶曲構造(fault−bend fold)」の形態をなしている可能性がある.

しかし,本調査では,断層の形態の詳細をつかむことはできない.今後,既存の資料を解析して,地質構造を解析する必要がある.