地表に露出する明瞭な部分で,12km,新篠津村の北4号線付近まで含めると15km,同じく南4号線付近まで含めると20kmとなる.
東向きの三角末端面の形状から,セグメントaと同様,西側が上昇する逆断層の形態が推定される.中小屋スキー場では,西傾斜の逆断層露頭が確認された(北海道,2000).断層の傾斜は,40°である.地質断層の境界は,従来考えられていた(垣見・植村,1958?)当別層と望来層ではなく,望来層中の硬質頁岩と泥岩との境界の海緑石砂岩層の層面すべりであることが明らかになった.この観察は,空中写真判読による変位地形の位置と地質踏査の結果から判明した地質分布との対応と矛盾しない.
篠津の低地に伏在するセグメントbの位置は,金沢背斜構造の東翼になる.北4号線の重力探査でも,金沢背斜構造に調和的なブーゲ異常のHighが認められた.また,この背斜構造より東側(新篠津村方向)は水平な構造である.すなわち,重力探査の測線上で,西側では地層が凸に曲げられている構造が,東側では水平の構造に急激に変わる様子を示している.
反射法地震探査の結果,反射面が西から東へ傾斜するのが観察され,ブーゲ異常から推定された構造が検出された.反射断面の西端に近い部分では,反射面の乱れが見られ,地表付近に活断層が存在する可能性が指摘された.