(4)地質断面図

テストピット,トレンチの結果をふまえ,地質断面図を作成した.

本地区の地質構成は,基盤岩の望来層および当別層(W層),これらの上位を覆う砂礫(V層),断層下盤側に厚く堆積する細〜小礫主体の砂礫,有機質層を挟む粘土〜シルト,葉理の発達するシルト(U層)および褐灰色の粘土〜シルト,および表土(T層)からなる.

断層運動に伴う変位は,U層,V層,W層において認められる.

変位基準面は,V層(砂礫)の上面およびU層中の細〜小礫主体の礫層上面でそれぞれ垂直変位量で1.4m(SE面2および5.5測線で測定)および0.75m(SE面4および6.5測線で測定)と見積もることができる.

当地域の基盤岩であるW層は,水準測量の結果,上下盤において2.3mの比高を持っている.仮にこの差がすべて断層による変位であったと仮定すると,1〜2回分の活動が推定される.しかし,砂礫層中に,断層活動に伴う崩壊堆積物(プリズム)が見られないことや堆積構造に顕著な変化がみられなかったことから,チャネルの可能性もある.

以上を総合して表3−3−2−2に当別断層セグメントaの活動履歴をまとめた.

図3−3−2−5 地質断面図(青山中央神社)(縦1:100横1:200)