(6)地質断面図

これまで得られた資料を基に地質断面図を作成した(図3−2−3−2).

本地区は,地形上では測点50付近に丘陵から沖積低地にかけての遷緩点が見られるが,地下構造もこれに調和的である.泥炭,あるいは黒ボクを主とするT層は,間に石英粒を多含する砂層(Tb層)を挟むが,この砂層が低地側に若干傾斜している.

沖積の基底礫・砂層(U層)は,測点50付近より低地側でその厚さを急激に増す.

支笏の軽石流堆積物(Spfl)は,測点50(12B−O2)で急激に厚さを減じ,低地側には出現しない.

約10万年前の噴出とされる火山灰(Toya)は,測点50付近より低地側で伏在深度を増すとともに,層厚を減じ,測点70(12B−O4)では,ほぼ標高0mに伏在する.本地区東側の丘陵地は,Toyaに覆われるもみじ台層であり,最終間氷期の堆積物と考えられている.

本ボーリング調査でもToyaの下位に砂質堆積物を確認しており,もみじ台層に対比されると考えられる.もみじ台層の上面の比高差は,約20mであることから,この地区の平均変位速度は20m/12.5万年=0.16m/1000年が得られる.

図3−2−3−2 地質断面図(大麻)(縦1:100 横1:200)