(3)江別市大麻東中西部地区
本地区では,地形測量の結果から,丘陵地西端の地形が緩やかな凸状を呈していることを確認した.沖積錘の形状にテクトニックなものがあるかどうかを探るため,テストピットを4箇所掘削した.地質断面図を作成した結果,ピット間の地質は対比可能で,変位を認めることができなかった.しかし,伏在する泥炭層は低地側に傾くことから,これがテクトニックであるならば,全体が傾動している可能性がある.試料採取分析としては,8試料の年代測定を実施し,完新世中頃の年代値を得た.
傾動が確認されたピット間には,江別市の保護林があり,今後トレンチを進めていくには不利である.また,盛土や耕作土深も深く,新しい時代の地層が完全に消失していることが明らかになった.
今後,ここでトレンチ調査を行うには不利な条件が多く,不適と判断した