4−2−4 セグメントd
セグメントdは,都市圏活断層図により,はじめて描かれた活断層である.本セグメントは,活動性の指標となり易い最終氷期の地形面が撓曲付近には全く存在しないため,断層運動の累積性などが地形からは認識できない,厳密な意味で活断層として認定し難い地域である.地質調査から,もみじ台層が傾斜していることから,最終間氷期以降に変動を受けていることは確実である.重力探査の結果,ブーゲ異常のプロファイルは撓曲構造とはならず,直線的に低地側(西側)に低下する.反射法地震探査の結果,地層は西に傾斜し,撓曲地形付近で,凸状に折れ曲がっており,断層運動に関連する構造と解釈される.ボーリング調査の結果,約3−4万年前以降の層序が確認できた.もみじ台層(最終間氷期の堆積物)まで到達することはできなかったので,低地下に,もみじ台層が埋没しているか否かは,わからない.撓曲の遷緩線付近の反射断面に注目すると,チャネル状の反射イベントが認められる.おそらく,沖積層から構成されていると予想される.形態から河道堆積体の可能性が考えられる.仮にそうであれば,ここでの変位基準は失われていることになる.以上が,平成11年度調査の結論である.次に平成12年度の計画について示す.