既存資料から,撓曲が見られる地形は,音江別川層からなる.音江別川層は早来層に対比されていることから,MIS7(約20万年前前後)に形成された古い地形面である可能性が高い.重力探査の結果,逆向きの低崖に対応するブーゲ異常が検出された.反射法地震探査の結果,地形から推定された撓曲,すなわち地層のずれ,曲げは存在せず,低地に向かって緩く傾動している状況が明かとなった.また,逆向き低崖に対応する,反射イベントのずれも確認できなかった.
セグメントcの北方延長部では,既存ボーリング試料を再検討することができた.その結果,泥炭層の上下にToyaテフラを認めた.Toyaの層準は,西側ほど分布標高が高く,傾動していることが明かとなった.従来から,地形面の傾動が指摘されていたが,地質からも追認できた.