4−2−1 セグメントa

セグメントaについては,通常の活断層調査,すなわち地形面の編年と個々の地形面の変位量から平均変位速度を求め,ピット・トレンチ調査により過去数回のイベントを確認する方法を採用した.なお,既存文献では,地形面の年代値の報告はない.

今回の調査の結果,To−t2からSpfl=41kaを,To−t4から9.7kaの年代値がえられたこと,地形面の対比からTo−t1はToya=105kaの地形面に対比される可能性を示した.しかし,各地形面から得られる平均速度はバラツキが大きい.この原因にはいくつかのケースが考えられるが,中間の変位量を示すTo−t3面の形成年代が判明すれば明確に説明可能となることから,地形面To−t3の年代を明らかにすることを今後の課題としてあげておく.

今後は,最新活動期を明らかにするため,To−t4においてトレンチ調査を行ない,最新活動期を確定する必要がある.トレンチ調査に先行してピット調査を実施し,調査箇所を最終的に判断するのが望ましい.