(2)大麻地区(11B−O1)

当地区では,空中写真判読等から「撓曲崖」を示唆する地形が比較的明瞭であるため,これら地形の影響を受けている可能性の低い平坦面で,用地的に問題の少ない箇所を選定し,ボーリング掘削箇所とした.

以下に結果を示す.

<11B−O1号孔>

深度0.0〜3.38m

表層20cmは耕土.以深は,植物根あるいは茎等からなる泥炭.

深度1.0m付近で材が含まれている.

深度1.6m以深でやや分解が進み,上位より細粒となる.

深度3.38〜8.18m

細粒〜中粒の砂を主とする.

深度6.32〜6.58m間では,有機質土(旧表土?)が偽礫状に含まれる.その下位(深度6.58〜6.72m間)では,逆級化する中粒〜細粒の砂が認められる.

深度8.18〜14.10m

上部(〜深度12.25m)は,細粒砂あるいはシルト質砂を主とする.深度11.30m,11.90m付近では葉理が見られ,双方は斜交している.

下部(12.25m〜)は,有機物を挟在するシルトを主体とするが,基底部では厚さ10cmと薄いながらも砂礫が分布する.この砂礫は,石英粒を含む中粒砂をマトリックスとし,径10〜20mmの円礫を30%程含む.礫は頁岩を主体とする.

深度14.10〜20.48m

細粒砂ないしはシルトと細粒砂との細互層を主とする.下位ほど細粒となる傾向があり,深度19.20m以深ではシルト優勢の細互層となる.

深度17.7m付近では10°程傾斜する葉理が見られる.

深度20.48〜25.95m

粘土〜砂質シルトの細粒物を主体とする.

しばしば有機物を含み,深度21.50m付近,23.60m付近では有機質シルトないしは腐植土の薄層を挟む.

深度25.95〜37.20m

上部(〜30.95m)は,粘土,シルトを主体とする.深度25.95〜28.02m間は,腐植土あるいは有機質シルトからなる.深度28.02m以深は,粘土〜砂質シルトと深さとともに粗粒となり下部に漸移する.

下部(30.95m〜)は,細粒砂〜中,粗粒砂を主体とする.所々シルト層を挟むものの,下方に向って粗粒となる.深度34.95m以深では中〜粗粒砂中に細礫を点在する.

深度37.20〜41.30m

細粒砂とシルトの細互層(砂がち)を主体とする.基底部(深度41.18〜41.30m)では,最大径20mm程度の頁岩・砂岩円礫を含む砂礫となる.

深度41.30〜44.30m

細粒砂とシルトの細互層(砂がち)を主体とする.基底部(深度43.95〜44.30m)では,最大径10mm程度の頁岩・砂岩円礫を含む砂礫となる.

深度44.30〜46.28m

細粒砂とシルトの互層(一部細互層)からなる.基底部(深度46.22〜46.28m)では,最大径10mm程度の円礫を含む砂礫となる.

深度46.28〜51.00m

細粒砂と砂質シルトの互層からなる.深度47m付近では傾斜20°前後の葉理が見られる.深度50.90m付近では,二次堆積と思われる火山灰を挟在する.