(2)大麻測線(S波)

1)速度分布

表層速度分布図から,浅部のS波速度分布は次のとおりである.

200m/s,300m/sのコンターは全体的には南東に向かって浅くなるが,距離280m付近で急激に浅くなっている.

ボーリング11B−O1のS波検層との対比では,第1,2速度層は本速度分布よりかなり低い.第3速度層は概ね一致している.

2)反射イベントの分布状況

浅部では概ね水平な,深部では北西に傾斜するイベントが認められる.全体に反射イベントの連続性は良くない.

3)反射断面の解釈

比較的連続するイベントとして浅部よりA〜Iの9反射イベントをを抽出した.

非常に緩い北西傾斜の反射イベントAは,イベントBにオンラップしているように見うけられる.

イベントB及びCはほぼ平行するが,距離270m付近で浅くなっている.

イベントEは距離260〜320m間が不明瞭であるが,ほぼ直線的に北西に傾斜していると推定される.上位のイベントB,C,Dは本イベントにオンラップしているように見える.

反射イベントF〜Iは西傾斜で,それぞれのイベント間は北西に向かって層厚を増している.

距離300m,標高−20m付近から距離360m,標高−100m付近にかけてイベントの連続性が悪く,反射イベントFやGが上に撓んでいるが,これは距離280m付近の表層の急激な速度変化の補正がしきれていないためと考えられる.