反射法探査に先立って、全受振点・発震点の水準測量及びトラバース測量を実施した.なお、本測線の水準測量の基準としては、1/25,000地形図の測線北西端から約400m北西方の道路上の図根点(標高6m)を使用した(図3−7−3).
本測線の標高は、北西端の距離0mで7m、南東端の距離700mで約34mである.
(2)テスト
本測定に先立って、下表に示すテストを実施した.
│測線名 │震 源 │P/S波│ 発震位置│ 受振範囲 │テスト内容│
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│大 麻│ ドロップヒッター │P │測点No.120 │測点No.61〜18 │垂直重合数│
│0 │
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│大 麻│ミニバイブ │S │測点No.120 │測点No.61〜17 │発震周波数│
│9 │
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A.ドロップヒッター(P波)
a) 垂直重合数
垂直重合数を5,10,20,30及び40回で比較した結果、5,10,20,30回では垂直重合数を多いほどS/N比は向上するが,30と40回では差が認められない.本測定での垂直重合数は,記録の質にあわせて,30〜40回とした.
B.ミニバイブ(S波)
a)発震周波数テスト
発震周波数帯域を10〜30Hz,30〜60Hz,60〜100Hz及び100〜150Hzに分けて,本地区の周波数特性を検討した結果、周波数帯域100〜150Hzでは反射イベントはほとんど認められない.次に10〜80Hz, 10〜100Hz,20〜100Hz及び30〜100Hzの広域周波数帯域とした場合のデータを検討した.その結果,20〜100Hzと30〜100Hzは繰り返しノイズが卓越し、周波数帯域10〜80Hzと 10〜100Hzはほぼ同等のS/N比である.現場ではできるだけ広域にデータを取得することとし,本測定には10〜100Hzの発震周波数帯域を採用した.
(3)測定
テストの結果に基づき、表3−7−1に示す仕様で測定を実施した.
なお,図3−7−1にスプリット展開の方法を概念図で示す.また,図3−7−2に極浅層反射法地震探査の概念図(ドロップヒッター)を示す.得られたオリジナルショット記録を図3−7−4にP波のを,図3−7−5にS波のを示す.
表3−7−1 極浅層反射法探査仕様一覧