得られたブーゲ異常分布を図3−5−5に示す.黒の実線は等重力線(1mGal間隔)を示し,赤の実線は地形等高線(標高100mまでは20m間隔,それ以上は100m間隔)を示している.なお,コンターを作図するうえで,測定データが全体に均質な分布となるようにしたため,プロファイル測定の値は使用していない.
ブーゲ異常の全体傾向は,北部で大きく南部に行くにしたがい小さくなっていく.北から尾根状に張り出した高異常は,北4号測線付近より南ではその構造は不明瞭となり,変わって南西から谷状の低異常が現れてくる.これらのブーゲ異常の構造の波長は長いので,比較的深部における褶曲構造を反映していると推定される.地質構造と比較するならば,高異常の張り出しは,中小屋半ドーム構造および金沢背斜に,谷状の低異常は当別向斜に対応すると考えられる.
また,小さな異常に着目すると,北4号測線のほぼ中央で等重力線が急激に屈曲していることが注目される.この屈曲異常は,先のプロファイル測定でも認められており,南4号線付近まで少なくとも3〜4km続いている.したがって,この異常は見かけの上のものではなく,地下浅部における構造(断層)を反映したものと推定される.