To−t1は,当別町青山,当別川支流の一番川と二番川にはさまれた地域に,比較的広く平坦面が発達する.分布標高は,約100m程度である.この地形面は当別川下流の伊達山付近に分布する中位T面(小松原・安斎,1998)まで追跡が可能である.小松原・安斎(1998)は,本面からToyaテフラを確認していることから,最終間氷期に対比される河成面と理解される.なお,未公表データだが,当別ダム調査に関わるボーリング調査により,川崎付近の段丘堆積物(標高約90m)よりToyaテフラが確認されている(太田勝一私信による).
To−t2もTo−t1と同様,当別町青山,当別川支流の一番川と二番川にはさまれた地域に最も広く平坦面が発達する.本流沿いおよび1番川および2番川の支流沿いに地形面が追跡される.
To−t3は,To−t2を開析し,青山奥では比較的広く平坦な地形面が残されているが,それより下流では,地形面の幅は狭く,支流と本流を取り巻くように小規模に発達している.
To−t4は,沖積面であるが,現河床氾濫原よりやや高い地形面である.当別川本流沿いに発達する.
活断層のリニアメントは,To−t2,t3,t4を通過する.上位の地形面ほど変位量は大きく,累積性があることが判読される.リニアメントの走向は,東西にふれながらもほぼNSトレンドである.さらに南方の開運橋近くでは(青山中央神社),NW(NWW)に大きく振れる.さらに南方の金の沢の出口付近ではNNWに方向を変えながら,地形面を変位させている.しかし,その南方延長部については貯水池付近まで不明瞭となる.