3−4−5 広報活動および地域防災計画への対応など

本年度の調査については、第二年次にあたり、トレンチ・ピット調査を行ったが、富岡地区については、活断層とそれによる地層の変形および最新活動などの情報を確実に得られたことから、地域活断層調査委員会の判断にもとづき、トレンチの一般公開を11月30日〜12月2日に行った。泉郷地区については、千歳市市役所関係・自衛隊東千歳駐屯地などの関係者に現地説明を行った。これら一連の公開には、地元市町村関係者、国・道の関係機関、自衛隊・消防関係、地質コンサルタント業界関係、大学・学校、報道および住民など延べ、220人を数えた。

本年の成果の要点については、北海道立地質研究所のホームページ(http://www.gsh.pref.hokkaido.jp/)により公開を行う予定である。

広報については、詳しい報告とは別に、要点を分かりやすく説明したパンフレットなど簡単な解説書の発行も、地元自治体関係者および住民などから意見が寄せられており、要望に添う方向で検討中である。一年次・二年次の調査結果を合わせて報告書(2.5万分の1活断層図付き)の印刷・発行については、科学技術庁の地震関係基礎調査交付金を受けて、平成12年度に実施する予定である。

地域、防災計画への成果活用については、特に泉郷・馬追断層について、最新活動の時期と活動周期を知る情報が多数得られており、今後さらに吟味を加えて結論をえ、千歳市などの地域防災計画へ具体的に活かししたいと考えている。

図3−4−1 トレンチ・ピットにおけるイベント対比図(泉郷断層・馬追断層)

図3−4−2 地形地質調査、ボーリング調査およびトレンチ・ピット調査にもとづく地質断面から推定した断層変位量

表3−4−1 トレンチ調査解析断面図による傾斜変位量