ボーリング調査結果をもとに作成した泉郷地区の地質断面図を図3−2−13に示す。4本のボーリングの結果、No.3孔とNo.4孔の間で、@基盤層の岩相が異なること、A基盤上限の変位が推定されること、B第四系更新統上部の地層に変位が推定されること、CNo.4孔にプリズム層とみられる地層(Vc層)が分布すること等から第四系を切る断層が推定された。また,地形からみても、No.3孔とNo.4孔の間はリニアメントとして認められている急斜面の脚部に位置している。そのためNo.3孔とNo.4孔の間にトレンチを掘削することとした。
b.富岡地区フモンケ川沿い箇所のトレンチ掘削位置の検討
ボーリング調査結果をもとに作成した富岡地区の地質断面図を図3−2−31に示す。No.2孔とNo.4孔の間で,@ 基盤(新第三系)の上限に変位が推定されること,A 海成層のX層が東側のNo.4孔,No.3孔に分布すること,B No.2孔とNo.4孔の間で第四系更新統上部の地層の地質構成が大きく異なること,C 完新統がNo.4孔,No.3孔で厚くなり,変位も推定されることからNo.2孔とNo.4孔の間に第四系を切る断層が推定された。また,現在の地形は改変されているが,旧地形ではNo.4孔の西側に地形の高まりが存在し,これを境に排水状況も異なること(地権者による)からNo.4孔とNo.2孔の間にトレンチを掘削することとした。