石狩低地東縁断層帯は従来、5つの活断層(北から岩見沢断層・栗沢断層・泉郷断層・馬追断層・嶮淵断層)と撓曲帯(国道274号−夕張川間、長沼町管内)が存在するとされており(活断層研究会,1991)、1998年度には地形地質調査(概査)、地震探査(浅層・極浅層反射法)およびボーリング調査を行った。その結果、構成される断層・撓曲帯の形態と活動性を明らかにすることができたが、特に南部を構成する泉郷断層と馬追断層については2万年前以降の活動の証拠が明らかとなり、1999年度において最新の履歴解明のためにボーリング調査およびピット・トレンチ調査を実施することにした。さらに、岩見沢・栗沢断層については少なくとも数万年前より前の活動の証拠は存在したが、南部の断層群に比較すると活動性は低いと判断された。しかし、市街地を貫くことの重要性を考慮し、岩見沢断層についてはピット調査を試みることにした。その他、これら調査箇所近傍などについて地形地質調査の地表精査を実施した。
本報告は1999年度における上記の調査の成果を記載したものである。調査にあたっては、岩見沢市・千歳市・早来町の自治体当局と地元の土地所有の方々など、関係各位に多岐にわたるご支援・ご協力をいただいた。ここに記して深く感謝の意を表する次第である。