3−4−3 泉郷地区の総合解析と今後の調査計画
極浅層反射法泉郷測線では地表下60m付近まで明瞭な反射面が得られ,段丘堆積物(東千歳層・火山灰層)と新第三系(追分層など)が明瞭な斜交不整合をなし,新第三系は西に急傾斜することが明らかになった(図3−4−2上段図).さらに,新第三系中に泉郷断層がほぼ平行に存在し,段丘堆積物中のくいちがい・層厚変化となって現れ,地表部の逆向き低崖に完全に一致することが確認できた.また泉郷断層に沿うコムカラ峠・いずみ学園裏などいくつかの露頭で少なくとも恵庭a火山灰までを変位させる断層の動きが確認されていることから,今後は測線南側の嶮淵川沿いで最新堆積物(現河川氾濫原堆積物)中に断層の活動の証拠がないかどうかを中心に調査を進めるべきと判断される.具体的には川沿いに断層をはさんで浅いボーリングを実施することおよびピット調査などを計画すべきと思われる.