探査は委託により株式会社ダイヤコンサルタントが平成10年11月16日〜同11年1月29日の工期(現地調査期間:平成10年11月23日〜同12月2日)で実施した.なお,なお発注業務としてはV2.3のボーリング調査と一括して実施している.
[発注および担当]
発注者:北海道立地下資源調査所(担当:環境地質部 岡 孝雄)
受注者(実施部署):株式会社ダイヤコンサルタント 東京事業部物理探査部
埼玉県大宮市吉野町2−272
管理技術者 :東京事業部物理探査部 是石康則
主任技術者 : 是石康則
物理探査担当 : 是石康則
現場代理人 : 石垣孝一
データ処理 : 石垣孝一・谷 和幸
地質担当 :東京事業部地質部 松浦一樹
[探査作業]
現地における探査作業は浅層反射法(P波)地震探査と同様に図3−2−1−1に示すような作業の流れで実施する.以下,現地作業について簡単に記述する.
@現地踏査および道路申請等
測線決定のため現地踏査を行い,リニアメントや断層通過が予想される範囲の絞り込みを行って測線位置を決定する.
測線が一般供用されている道路である場合には,所轄の警察署に道路使用許可申請を行う。また,行政機関へ調査内容等の連絡を行い,測線の道路沿いの住民には実施前にチラシ若しくは口頭により説明を行って作業が潤滑に行えるようにする.
A測線設定および測量
水平距離で受振器設置ヶ所や発振地点に目印をつけ,当該地点の水準測量を実施する.測線を設けた道路等が曲がっている場合には,XY座標測量を行う.
B測 定
受振器・ケーブル展開:予め設定された測線上に2m間隔で受振器(f0=30Hz,上下動,2個グループ)を一度に約150地点(約300m区間)にセットする.各受振器は本線ケ−ブル,中継ケ−ブルを介して専用観測車に搭載された地震探鉱機に接続する.
バイブレータ震源:震源には,火薬,加速型重錘落下,バイブレータ等々があるが,本業務では,測線の条件(道路の保守等),探査能力(分解能,探査深度等)から勘案してバイブレータ震源を使用する。震源の模式図および震源の原理は浅層反射法(P波)地震探査と同様であり(図3−2−1−2、図3−2−1−3、図3−2−1−4),ここでは説明を省略する.
測定作業:展開作業などの準備作業が終了した後,測定パラメータを決定するために垂直重合数(スイープ回数),スイープ時間,発振周波数範囲,最小オフセット距離(発震点ー受震器最小距離)などについてテストをする.テスト結果を検討して,各測線の最適パラメータを決定して本測定に移行する.1回の測定では同時に120地点の受振器で受振した信号を記録する。受振器で感知された反射波などの波動データは,電圧信号に変換され,ケーブルを介して観測車(探鉱機)に転送される.モニター出力された記録の良否を検討し,悪ければ再度記録を取り直す。良好な記録と判断されれば,探鉱機システムの磁気テープに収録する.1回の測定が終了すれば,前述のマルチチャンネル測定の項で説明したように受振器間隔分移動して再び同じ測定を実施する.この作業を測線の端まで繰り返し,1測線の測定を終了する.
C使用機器
探査に使用する主要な測定機器を表3−2−2−1に示す.
[データ処理]
V・2・1の浅層反射法地震探査とほぼ同様であり,説明を省略する.