5−2−3 方法

ピストンコアラーは、基本的にはサンプラー部と落下装置部の2つの部分から構成される。サンプラー部は頭部に重量820kgのモンケンがついておりその下のサンプルチューブ(内径80mm)にはピストンが入っている。落下装置部は、天秤トリガーとそれに続くワイヤーロープとウエイトで構成される。ウエイト部が着底してワイヤーロープがゆるむとトリガーがはずれて、下のサンプラー部がモンケンの重さにより落下するようになっている。以上述べたピストンコアラーの構造と海底での経過状況を図5−9に示す。

今回、ピストンコアリング作業は45トン吊りクレーン付き台船(長さ32m)を使用した。このため台船上でサンプラーの組立・解体を行い、またクレーンを利用してピストンコアラー全体の吊り下ろし・引き上げを行った。台船使用のため周囲には警戒船を2隻配した。なおピストンコアリング地点の位置出しは、ソノプローブ音波探査と同様に電波測位機(トライスポンダー524型)にて行った。

室内での試料分析は、まず試料がサンプルチューブに入ったままの状態でγ線透過方式の密度測定機で密度を測定し、次に試料を取り出して火山ガラス等の分布を観察し柱状図を作成後、5cm毎にふるい分けして粒度特性を求めた。また年代測定可能な生物遺骸をふるい分け試料から採取した。