(5)Co交−1(宮島から広島西飛行場までの上記測線を斜めに横断する測線)

Co交−1の記録断面図を図5−8−1図5−8−2図5−8−3に示す。海底面はほぼフラットで広島西飛行場近くでやや上昇する。広島西飛行場付近の記録は全体に濃く堆積構造が不明瞭になっているが、これは表層部に太田川放水路からのやや粗粒な堆積物があり、そのため下位を見にくくしているためと考えられる。本測線には、カットライン280の津久根島付近に異常な堆積構造が認められる。アカホヤ火山灰層の反射面の下方にやや強い反射面が音響的基盤面から上方に突き出したような形で分布している。この付近は陸上の己斐断層のほぼ延長線上に位置しており、断層活動となんらかの関連がある堆積構造である可能性が考えられたが、次項に述べるような試料採取等詳細調査の結果、その可能性はなくなった。

以上のように、ソノプローブ音波探査により広島湾内を広く探査したが、アカホヤ火山灰層の反射面を含む完新世の堆積層に断層活動に伴うと考えられる変位を認めることはできなかった。