5−1−2 測線配置

今回の探査測線を図5−2に示す。調査対象断層である己斐断層、五日市断層及び広島西縁断層とも北北東−南南西走向であるため、これら断層の活動の証拠が残されていた場合に検出しやすいよう、測線は基本的に断層走向に直交する東南東−西北西方向とした。測線間隔は、陸上に近いところで250m、その他を500mとした。ただし広島湾は、かきの産地でかき筏が多数分布しており、それを避けた測線もあるため必ずしも等間隔ではない。広島湾東側の宇品沖にも測線を設定したのは、三角州の厚い堆積物に覆われて陸上では全く判読されないが広島西縁断層と同方向の伏在断層が沖積層下に存在する可能性も考慮したこと、また過去のこの付近での音波探査(5) により断層変位を示す可能性のある音波探査記録が得られていたことによる。

探査測線数は24測線で、陸側(北側)から順にCo1(コース1)、Co2と呼称した。またこれら東南東−西北西方向の測線を斜めに横断する測線については「交」を付けて、西側よりCo交−1のように呼ぶこととした。図中の小文字数字は探査中に船の位置を記録しておくために音波記録紙上に書き込んだカットラインの番号を表す。探査の総延長は110kmである。