一方、「新編日本の活断層」に記載された断層のほぼ中央部、佐伯区五日市町上小深川(かみこぶかわ)付近では、己斐断層と同様、系統的な谷の右横ずれ屈曲が認められた。これらの谷の屈曲は、北北東から南南西に向かって広がる古野川及び野登呂川の谷地形の西端から約150m山側に入った地点に発達している。また谷と谷の間の尾根筋は屈曲点を結ぶ線上で鞍部を形成しており、北北東−南南西方向の明瞭なリニアメントとなっている。このような判読結果から、五日市断層は少なくとも活断層と判断される明瞭な地形的証拠から、「右横ずれ変位」が卓越する変位様式であることが確認された。こうした知見に基づいて判読結果を以下に述べる。