本地点では、明瞭な火山灰層は認められないものの、各層の試料をふるい分けて顕微鏡観察を行うと、第U層と第Y層に比較的多くの火山ガラスが含まれていた。鏡下肉眼鑑定による火山ガラスの形状や透明度判定を実施した結果、第U層の火山ガラスは約6,400年前のアカホヤ火山灰、また第Y層のそれは約25,000年前の姶良火山灰の特徴が認められた。第U層及び第Y層は、火山灰降下後それを含む地層を浸食した土砂によって構成されたものと考えられ、各層の14C年代分析結果から得られた年代値は火山ガラスの分布からも妥当な値と判断される。