(2)【No.4トレンチ】

ここでは基盤を覆う堆積物について、その堆積状態・層相から6層に区分した(図3−29)。以下その特徴を述べる。

有機質土(T):層厚は0.1〜0.5mで、植物根・炭化物を多量に含む。

礫混じり砂層(U):層厚は約3mで暗褐色を呈する。細〜中粒砂が主体で、φ1〜3cmの円礫を含む。

有機質土(V):層厚は0.2〜0.4mで、第・層の最下部に分布するとともに、インタ−フィンガ−している。第T層よりも分解が進み、植物遺骸は観察されない。

砂礫層(W):層厚は約1m、φ2〜5cmの円礫を主体とし、中粒砂がマトリックスとなる。下部に向かって礫径が大きくなる。

砂礫互層(X):層厚は2m前後で、中−粗粒砂層とφ1〜2cmの礫層がリズミカルに繰り返す。下部には炭化物密集層をレンズ状にはさむ。

砂礫層(Y)層厚は1m以上で、粗粒砂をマトリックスとし、φ2〜5cmの円礫を含む。本地点では、この層が基盤直上の堆積物か否かは不明。

基盤:やや白色変質した花崗岩でゼノリス、熱水脈を伴う。断層破砕帯はみられない。