6−4 発生した地震の規模

活断層の長さ(L),および単位変位量(D)と発生する地震の規模(マグニチュ−ドM)には次のような関係があることが知られている(松田,1975).

LogL=0.6M−2.9……(1)

LogD=0.6M−4.0……(2)

@渡島大野断層

(1)式から得られるマグニチュードをMlとすると渡島大野断層の長さは,12kmであるので,Ml=6.6となる.

また,(2)式から得られるマグニチュードをMdとし,かつ単位垂直変位量を1〜1.5mとすると,Md=6.6〜6.9となる.

なお,断層の傾斜角を40°とした場合の実変位量は1.5〜2.3mとなり,Md=6.9〜7.2となる.

従って,過去に渡島大野断層によって発生した地震の規模は,M=6.6〜7.2となる.

A富川撓曲帯

富川撓曲帯が海域に連続する起震断層であると仮定すると長さは15kmとなり,これを(1)式に代入すると,

Ml=6.8となる.

また,函館平野西縁断層帯の全体を起震断層と考える場合には,渡島大野断層との並走部(約5km)を差し引きその延長は22kmとなる.これを(1)式に代入すると,

Ml=7.1となる.