4−5−4 トレンチ内の構造

トレンチ内には断層は認められないものの,黒色土壌(泥炭)D(約8,800y.B.P.)及びその下位の濁川テフラ(約12ka)を含むシルト層の上面に東側低下の撓み状の変形が認められる.黒色土壌(泥炭)Dの変位量については,トレンチでは黒色土壌(泥炭)Dの撓み量から 0.7m以上であり,トレンチの西側で北海道立地下資源調査所により掘削されたボーリング孔(B孔)との対比から,約1mと推定される(図4−5−6).

この変形した黒色土壌(泥炭)Dの直上に分布する礫層は,変形により低下した凹地を埋めるように黒色土壌(泥炭)Dにアバットして堆積しており,黒色土壌C(約7500y.B.P.)以上の地層には変位は認められない.