(2)解析

トレンチ調査と各種試料分析の結果,および函館平野西縁断層帯に関する既往の資料を総括して,地層区分,イベント,活動履歴について解析を行った.

(1) 地層区分

トレンチ調査により現場で設定した地層区分と,炭素同位体試料・火山灰・考古遺物などから推定される地層の年代値に矛盾や問題がないか検討した.さらに,地層の年代値などから推定される環境変遷および地層の広がりなどを考慮して, トレンチ法面に現れた地層の区分・層準を総合的に再検討し, 地層区分を確定した.

(2) イベント

確定された地層区分に基づき, 地層境界の性状・各単層間の変形構造の相違・亀裂・液状化跡などの関係を改めて見直すことにより, イベント層準を決定し, イベントの確実度を評価した.

(3) 活動履歴

年代データから推定される各イベントの時期(年代)および各イベントによる断層変位基準の変位量を見積もることにより,平均変位速度・活動間隔・最新活動時期を把握し,トレンチ地点での活断層の活動履歴について検討を行った.